嵐神ガルーダの影(らんしんがるーだのかげ)
公式の読み物として旧the Lodestoneで紹介されていた読み物、「週刊レイヴン」の一つ。
旧the Lodestoneは閉鎖したため、現在は読むことが出来ない。
旧the Lodestoneは閉鎖したため、現在は読むことが出来ない。
グランドカンパニー特設ページ 更新 (2012/04/25) 編
嵐神ガルーダの影
南部森林に飛来した魔物の正体とは?
黒衣森の木々の1本、そのまた無数に空いたウロの中の1穴から、鋭いクチバシで一片の真実をつつき出す「週刊レイヴン」主筆のグッドフェローです。今回は、我らがグリダニアの仇敵、嵐神「ガルーダ」の脅威について、お届けしましょう。
猛り狂う鳥たちの女王「ガルーダ」
ハムレット「クォーリーミル」の付近において、「翼を持つ大型の魔物」が目撃されたとのことで、国防を担うグランドカンパニー「双蛇党」の周辺が騒がしい。どうやら双蛇党の上層部は、問題の魔物の正体が嵐神「ガルーダ」であるとの見方を強め、警戒しているようだ。
小月「ダラガブ」の異変を見るにつけ、第七霊災到来の噂を信じ自暴自棄にもなりたいところだが、眼前に立ちはだかる脅威から目を背ける訳にはいかない。ここはひとつ冷静に、ガルーダとはいかなる存在なのかを、再確認していこう。なお、本記事の執筆にあたっては、イクサル族の歴史に詳しい神勇隊隊長リュウィン氏の協力を仰いだことを記しておく。
今をさかのぼること、550年ほど前。当時、イクサル族は「ティノルカ(※)」を根拠地としていた。彼らは樹上に居を構え、その翼に風を受け、木々の間を飛び回って暮らしていたと伝えられている。「鳥人」を自認していたイクサル族は、既にこの頃からガルーダを「すべての鳥たちの女王」として崇め、信奉していたという。
だが、黄金期を迎えたイクサル族が人口を増し、居留地を広げ始めたことでひずみが生じる。生活圏の拡大が森の精霊の怒りを買い、結果として追放の憂き目にあったのだ。こうしてイクサル族は、大渓谷「ゼルファトル」へと集団移住することとなったのである。
だが、彼らの受難は、故郷の喪失に留まらなかった。
「ゼルファトル」の地で孵った幼体たちが、――原因は不明ながら――風切り羽を持たず生まれてくるようになったのである。やがて世代を重ねるうちに、イクサル族は飛翔能力を完全に喪失した。ただ、空に対する狂おしいまでの情念だけを残して……。
約150年前に、他の民族に先駆けて彼らが「気球」を開発し得たのも、こうした歴史に基づく空への強き想いがあればこそといえよう。
そして、10年ほど前の事……アマルジャ族やコボルド族が、次々と神降ろしを断行したとき、イクサル族もまた嵐神「ガルーダ」を呼び降ろした。その動機について、リュウィン氏は「すべての鳥の女王」の加護を得ることで、飛翔能力を取り戻すためだと推測している。 しかしながら、現在までにイクサル族の願いが叶えられた形跡はない。そればかりか、猛々しき嵐神「ガルーダ」は血を欲し、何者にも御し得ぬ嵐となって吹き荒れ、各地で猛威を振るっている。
イクサル族は、彼らにとっても決して呼び降ろしてはならぬ存在を、エオルゼアへと招いてしまったのではないだろうか。
オリバー・グッドフェロー
※黒衣森のこと。「ティノルカ」はイクサル語で「母なる森」を意味する。