紅き小月と黄金の谷(あかきしょうげつとおうごんのたに)
公式の読み物として旧the Lodestoneで紹介されていた読み物、「ハーバーヘラルド」の一つ。
旧the Lodestoneは閉鎖したため、現在は読むことが出来ない。
旧the Lodestoneは閉鎖したため、現在は読むことが出来ない。
グランドカンパニー特設ページ 更新 (2012/03/22) 編
紅き小月と黄金の谷
活性化の一途を辿る帝国軍の動き
我らが母なる海はすべての陸に通じ、我らが家たる船は遠き隣人の声を運ぶ。
さて、今週リムサ・ロミンサに入港した船は、どんな報せを届けてくれたのだろう?
港を泳ぐ最新の話題を、船乗りの情報誌『ハーバーヘラルド』が釣り上げる!
流布する噂の数々
小月「ダラガブ」の輝きが、日に日に強さを増し、目に見えて大きくなってきている。
その光が赤みを帯び始めた頃から、凶兆だと噂する者はいた。だが、最近じゃあ、屈強な船乗り連中でさえ、「外洋で嵐が多いのも、ダラガブのせいに違いない」などと根拠のない噂を囁きあう始末。噂といえば、拝金都市「ウルダハ」では、「ダラガブの光が原因の腰痛に効く水薬」などという因果関係も定かではない、怪しげな商品が飛ぶように売れているんだとか。
まったく、どこにでも迷信深い連中ってのはいるもんだ。
イシュガルドの天文学者の説によれば、孫衛星である「ダラガブ」が、我々の大地に接近しているのだという。今は、馬鹿げた噂話にではなく事実を受け止めたうえで、天体の動きではなく、目の前に迫る現実の脅威について論じるべきだろう。そうとも、ガレマール帝国の動向についてだ。
「オーラムヴェイル」に緊張走る
黒渦団筋の情報によれば、クルザス地方のとある洞穴で、帝国兵と思しき一団が目撃されたらしい。地元住民に「オーラムヴェイル」、つまり「黄金の谷」と呼ばれている場所だ。その名は、ミスリル鉱と硫黄の鉱脈が交差したことで生み出された、黄金に輝く洞穴内の景色に由来するが、美しさに騙されてはいけない。ミスリル鉱と硫黄に、熱せられた地下水が交じり合った黄水は、有毒な霧を発生するのだ。
そんな危険な場所に好んで入るのは、猛毒をものともしない魔物か、無知な旅人くらいのもの。では、ガレマール帝国の連中の目的はどこにあるのか。
一説では、帝国の黒鎧どもは、地脈やクリスタル鉱脈を熱心に調べ回っているともいわれているが、未だに真相は不明だ。まがりなりにも軍事拠点だったゼーメル要塞ならともかく、戦略的に重要でもない「オーラムヴェイル」に、コソコソと出入する連中の動きにゃ、何か不気味なものを感じざるを得ない。
今後とも我が「ハーバーヘラルド」では、この一件に注目し、クルザス帰りの冒険者や商人を中心に、取材を続けていくつもりだ。
ユマ・モルコット