守護天節/いたずらインプ大脱走(しゅごてんせついたずらいんぷだいだっそう)
公式の読み物として旧the Lodestoneで紹介されていた読み物、「週刊レイヴン」の一つ。
旧the Lodestoneは閉鎖したため、現在は読むことが出来ない。
旧the Lodestoneは閉鎖したため、現在は読むことが出来ない。
守護天節/いたずらインプ大脱走 (2011/10/13) 編
黒衣森の木々の1本、そのまた無数に空いたウロの中の1穴から、鋭いクチバシで一片の真実をつつき出す「週刊レイヴン」主筆のグッドフェローです。「守護天節」が近づく今日この頃、夜な夜な現れるという不審人物の正体とは? 速報をお届けしましょう。
闇夜の魔物に要注意!
聖ダナフェンに聖ランドルフ、聖ラフィメー……その徳の高い行いと清き心を称えられ、死後、十二神の聖人に列せられた守護天たち。リーヴプレートのステンドクリスタルに描かれていることもあって、冒険者たちには特に馴染みの深い存在だろう。
そんな聖人たちの善行を記念した「守護天節」の季節がやってきた。
伝承によれば、この時期になると聖人たちは十二神によって天上の宮殿に招かれ、夜ごと宴に興じるという。それ故、この季節は夜になると聖人の加護が弱まり、地上には魔物たちが跋扈すると伝えられているのだ。こうした伝承から、いつしか人々の間では「守護天節が近づくと、日暮れ前に家に帰り、魔物が入り込まぬよう固く門扉を閉じる」という習慣が生まれたのである。
安全な都市内ではほとんど見向きもされなくなったこの古い習慣も、怠け者には仕事をサボるいい口実になる。今回の場合、それが大事に発展したのだ。 冒険者ギルドの監房に詰めているはずの衛兵たちが「伝統ある守護天節の習慣」を守るために、まだ日も落ちきらぬ頃に帰宅。これを好機と見た囚人のインプたちが、集団で脱走を試みたのである。変身能力を持つインプたちは、牢を抜け出すと無害な市民を装って、まんまと市街へと逃げおおせたのであった。 それからというもの、夜な夜な街路では市民に化けたインプが現れ、子供じみた悪戯をしてみたり、道行く人に奇妙な問答勝負をふっかけてみたりと、やりたい放題なのである。
一度捕まえたインプに逃げられた冒険者ギルドは、面目丸つぶれもいいところ。さっそく追跡隊を編成して、インプの再捕獲に乗り出した様子だ。冒険者ギルドでは、せっせと「守護天節」の夜に現れるという伝承上の「カボチャ頭の魔物」に似せた特製マスクを作り、興味をそそられた冒険者に手当たり次第に協力を呼びかけているようだ。果たしてこの捕獲作戦は上手くいくのだろうか?
オリバー・グッドフェロー