降神祭/消えた雪人(ごうじんさいきえたせつじん)
公式の読み物として旧the Lodestoneで紹介されていた読み物、「週刊レイヴン」の一つ。
旧the Lodestoneは閉鎖したため、現在は読むことが出来ない。
旧the Lodestoneは閉鎖したため、現在は読むことが出来ない。
降神祭/消えた雪人 (2012/01/01) 編
黒衣森の木々の1本、そのまた無数に空いたウロの中の1穴から、鋭いクチバシで一片の真実をつつき出す「週刊レイヴン」主筆のグッドフェローです。ハーストミルで発生した不思議な事件について、速報をお届けしましょう。
雪人はいずこに?
黒衣森の北部森林に「寒さと雪がもたらす恵み」を招こうと、ハーストミルで進められていたギラバニアの伝統儀式「雪人の儀」。総合商社「黒兎堂」と、多くの冒険者たちの献身的な働きにより、儀式に欠かせないスノーマン作りは順調に進んでいた。
本誌記者が、先日、現地を取材した際には、既にルガディン族の大男すら軽く上回るほどになっていたスノーマンを目にし、驚かされたものである。読者の中にも、そんな巨大雪像を見ながら、儀式の当日を心待ちにしていた方もいるだろう。
ところが、である。
儀式の当日、朝になってみると祭場からスノーマンの姿が消えていた。文字通り、影も形もないのである。いったい何が起こったというのか?
あれほど巨大な雪の塊が、一晩で溶けてしまうとは、どうしても思えない。そう語るのは、儀式の進行役を務めていたワルドマル氏だ。同氏は、スノーマンの消失は、「雪人の儀」が執り行えなくなるだけでなく、彼らアラミゴ難民にとって大きな損失となると続けた。件のスノーマンには恵みの案内人となるよう、彼らの一族に代々伝わる宝珠「ハート・オブ・ウィンター」が納められていたのだという。
儀式への悪質な妨害行為か、はたまた宝珠目当ての盗難事件か……街中が「降神祭」を祝う飾りで彩られる中、事態は思わぬ展開を見せ始めている。
オリバー・グッドフェロー